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人となりの判断

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人となりの判断 その1



他人の、その人の人となりは二、三年でも、数年でも、十数年でもわからないものだが、一つの基準として、心の柔軟さで判断し得るものでもある。
若い時にはそうゆう判断はできなかったが、年の甲なのか、様々な側面から見て、柔軟な心の持ち主は人格的に立派だと思うようになった。

そのことを知らない前には、人間の短気は性格だと思い、自分もかなり短気であったが、自分が短気なのを精神状態の底辺に居ると自覚することはなかった。

紆余曲折を経て、人格や精神の成熟度が世間的な上下ではないことが判断の基準となった。そうゆう目で人を見て観察すれば、むしろ世間的に上位だと思える者が如何に心の柔軟さに劣っているかを感じてしまう。尊敬にも値しない人を偉いと錯覚さえするものだ。

心の柔軟さとは一体なんだろう。
さしあたって三代将軍でいえば、三人の中では家康が一人者だと思うわけだ。

作品名:人となりの判断 作家名:笹峰霧子