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世界4大文明と習うのは日本だけ

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縄文時代の検索記《3》
 
世界4大文明と習うのは日本だけ!
 
我々日本人が学校で習う歴史の勉強として、まず古代の文明は「世界の4大文明」が始まりです…と習うのが当たり前になっています。そんな風に教えられた私達はそれが常識のように思ってこれまで過ごしてきました。
 
エジプト文明、インダス文明、メソポタミア文明、黄河(中国)文明。
 
それぞれ今から数千年前に大河の周辺に芽生えた文明…と私たちは疑いも無く思っていました。4つの文明は千年単位ほどのタイムラグがあるので、かえって信憑性があって、いかにもそれらしいのです。
 
しかし、世界の4大文明という教育は、日本だけのようです。世界の常識人は「何それ?」と思うようで、全くの的外れの古代文明の認識です。 
何故そんなことになったのでしょう。
 
明治初期の頃、中国の詩人(梁啓超)が1900年に書いた詩の中に「四大文明」と言う用語があり、それを明治時代の日本の学校では、あたかも世界の文明の発祥が四つの地域でほぼ同時期に起こったかの如くそのまま授業に取り入れたとのこと。
 
国際社会では全く通じない、そもそも4大文明と言う名称がないのです。
 
ただ、それとは別に近年では似たような表現で、「世界の8つの初期文明」と言うのがあります。
それはハーバード大学の国際政治学者、サミュエル・ハンティントン氏が1996年に発表した学説で、このところ注目を集めており、国際社会ではこちらが常識になっているようです。
 
ハンティントン氏の説では世界的な観点では8つの文明エリアに分かれていて、以下のようになっています。
 
●アフリカ 
●イスラム 
●西欧 
●中華 
●東方正教会 
●日本 
●ヒンドゥー 
●ラテンアメリカ。
 
これを見てパっと思い付くのは地域を表しているばかりでなく、それと共に宗教関連のエリアではないかということ。ただ、東方正教会とは何だろうと…思いますね。それを検索してみると、大雑把に言えば東欧エリアになるようです。
 
8つのエリアの中に「西欧」があるのだから、単に「東欧」の名称でも良さそうですが、そうはいかないのがキリスト教関連の難しいところでしょう。
 
それでは、果たして「文明」とは何をもって定義としているのか、その判断基準としては以下のようなことではないかと言われます。
 
◆国家を形成している
◆ある程度の人口がある
◆国土(領域)を持つ
◆狩猟や採取ではなく、農耕などで社会が運営されている 
◆社会階層に権力者がいる
◆都市(定住地)がある
◆住民が共通の思想・概念を持っている
 
これを縄文時代に当てはめると、十数年前までは、日本の縄文時代はその文明と言える条件に当てはまっていなかったと思われたのが、最近は見方が随分と変わって来て、調べれば調べるほど「世界最古の文明」という評価になって来ています。
 
尤も、全部の条件に当てはまるのは難しいにしても、約1万5~6千年前の草創期に続く縄文時代の前期~中期の頃(約7~8千年前)から以降は、ほぼ合致すると思われます。
 
なにしろ縄文時代草創期の頃から1万年以上もの間、さしたる争いも無く平和に暮らしていたのは間違いないようで、土器や土偶の完成度の高さや安定的な食料調達の方法などは現代の生活にも通じるところがあります。
 
そして自然の形に合わせて生活をしていました。例えばクリの木などの植物を栽培したり、動物や海産物の狩猟もそれらの子孫を絶やさないように考えたり、イノシシ(豚)を飼育したり、そして一番の相棒である犬の葬儀なども人間と同様に行っていました。
 
これまで私たちが持っていた縄文人(弥生時代以前の古代人?)のイメージとは全くかけ離れて、人としての精神的な面においては現代でも十分通用するような生活を送っていたと言う事実に驚かされます。
 
勿論、物質的・科学的な面は全く異なるにしても、人間としての基本的な部分では現代人よりむしろ高尚さがあったのではないかとさえ思えるのです。

そんな縄文時代に触れるには、本や写真ばかりでなく「実際の土器や土偶、そして出土遺物」を確認したい衝動に駆られました。

何しろこれまで70数年も生きてきた中でも認識していなかった文化に触れる期待感が湧いてきて、見聞する楽しみが一気に出てきたのです。そして最初の訪問先として3ヶ所の博物館を訪れることにしました。
 
東京都・国立博物館
山梨県笛吹市・釈迦堂遺跡博物館
新潟県長岡市・県立歴史博物館  です。