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ひとりしずか シーン4「洗い物」

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ひとりしずか
シーン 4「洗い物」

本を読んでいる音、ページをめくっている

「そろそろ寝よっかな」

本を閉じる
足音

「あー...忘れてた...」

「(一人暮らしをして、わかったこと・・・。)」

「(シンクが狭い、ということ)」

蛇口から水を出し、スポンジをクシュクシュする音

「(ワンルームのシンクはとにかく狭い。まずフライパンが平行に置けない。 これがすごいストレス。そんな斜めに置かれたフライパンの間を縫うようにし て、茶碗やお皿、タッパーが置かれる。
さて、どこから手をつけるか...、)」

お茶碗や箸などを洗う音

「(まずはお茶碗やお箸などの小さいものから洗い、シンクのスペースを確保 する。でもここで気をつけなきゃいけないのが・・・)」

「あっ、あー...」

「(せっかく洗ったタッパーに油汚れがつくと全然落ちなくなる。 さっきまで綺麗だったのに...。)」

「(こればっかりは気をつけてても毎回やってしまう。 たぶん一人暮らしをしてる間はずっと付き合っていく未解決事件)」

水で洗い流す音

「(洗った食器を水切りカゴに入れる時も、どうしたら水切りが良くなるか、 気をつけながら置く。正直これは...結構好き。)」

お茶碗や食器類を順番に立てかけていく

「(たまに食器が多過ぎて立てかけるところがなくなるけど、それでも綺麗に、 且つ水切りを考えた配置にして、それが上手く決まった時は...)」

「お〜、(笑う)」 「(自分を褒めたくなる。)」

「(最後はフライパン。さっきまでごちゃごちゃしていたシンクもフライパン 一つだけになった今なら、ストレスもだいぶ減る。)」

「...ぁあぁ」

「(でも服に水がかかった時はちょっとストレス...。)」

水を止め、水切りカゴのスペースにフライパンを置き、 タオルで手を拭く

「(洗い物で一番好きな瞬間は、朝になって全部乾いているとき。 お気に入りの食器たちが元通りの 1 日を迎えてくれる、変わらない安心感を私 にくれる。)」

「ふぅ・・・寝よ。」