ひとりしずか シーン3「食事」
椅子を引いて座り、手をあわせる
「いただきます。」
「(一人のご飯は、とても自由)」
「(実家にいたときはご飯を食べる時間が遅かったから、その間についお菓子 を食べてしまって、気づいたら体重が増えてる...なんてこともよくあった。早 い時間にご飯を食べたいなと思っても、それが叶わない時の方が多かった。)」
「(でも今は帰ってすぐにご飯を食べられる。今日は何を食べたいかも自分で 決めて、使いたい食器や見たいテレビも独り占め。何したって誰にも言われな い。)」
「(それと...)」
「なにこれおいしっ」 「え、うまっ」 ←発言は自由、おまかせします
「(レシピ通りに作っただけなんだけど、自分で作ったとは思えないくらい美 味しい料理ができる時がある。 そしてしばらくこの料理を続けてしまう...。)」
「もーちょっと作っとけばよかった」
「(小さいテレビから流れる私の好きな絵と音は、私の好きなもので囲まれた この空間に色をつけてくれる。 そしてゆっくりご飯を食べるこの時間は、私 のベロと鼻を癒してくれる。)」
「(誰にも気を遣わない、心が豊かになる瞬間・・・。)」
作品名:ひとりしずか シーン3「食事」 作家名:平塚 毅