小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

端数報告7

INDEX|15ページ/27ページ|

次のページ前のページ
 

長谷川博己と市川実日子が立てた人類補完計画


 
そうして2021年となり、1月7日に予告通りに緊急事態宣言が出たが、その日にテレビの番組表を撮ったのがこれ。
 
画像:東京2447全国7568
 
感染者が東京2447、全国7568で過去最大だって。21年に入って東京で遂に千を超え、1200、1400という具合に増えて前日1600くらいだったのがいきなり1.5倍という。
 
それでこの日は「2447! 2447人です!」と言ってニュースはもう完全に世界の終わりが来たという感じだったがこれも皆さんは憶えてますよね。しかしおれ個人としては、この日は隣のおばあさんが訪ねてきた客に向かって、
 
 
 
   「テレビが何言ってっか全然わかんねえ」
 
 
 
と言う声も壁越しに聞いたのだけど皆さんの中にこの日のテレビが言ったことがよくわかった方はいますか。
 
いるなら「へえ、すごいねえ」と言わせてもらうがおれにはもちろんばあさんが見てる壁越しのニュースが何言ってるかてんでサッパリわからなかった。ただしけれどもおれの脳は[これをわかる必要はない]と認識するので隣のように必死で聴いて理解しようと努めることがそもそもない。
 
[ルーレットに狂ったやつらが「当たりだ。当たりが出たのだ」と勘違いして騒いでいるが、誰もイカサマと気づいていない]とおれの頭ではハッキリ解析できるからだ。そしてまた、「やりやがったな」とも考えていた。このための予告宣言だったのか、と。
 
だから前回に書いたように、「10日後に緊急事態宣言を出します」なんて予告するのがそもそもおかしい。それはその日に宣言を出しているのと同じだ。聞いた人間は《既に緊急事態だ》という考えをするに決まっているのだから。
 
とおれの頭は考え、おれが正しくテレビで話す人間達が狂っている、おれがガリレオ・ガリレイでテレビで話す人間達がノストラダムスや麻原彰晃を信じている、という認識が揺るがないので、そう認識することになる。そして何より、どんなトリックが使われたかを簡単に見破れるので、
 
 
 
   「お前らのやってることは、全部お見通しだ!」
 
 
 
と、『TRICK』ってドラマで仲間由紀恵が演じた主人公のように言うことができる。
 
わけだね。そもそもちょい前の、東京の日の感染者数が千を超えた時点で「ほら見ろ」と考えていた。再三書いてきたように志村けんが死んだ頃に千人前後を検査していたことは疑いがないのだが、これは決して変えないか、変える場合は「検査体制を強化して、日に二千を検査するようにします」とか「三千を検査するようにします」と言わねばならないものだ。
 
だが政府がそんなことをしたことはない。何人を検査してるかは明かさず「今日は140。感染拡大!」「今日は210。感染爆発!」と言ってきた。そのたび学者が「これが三日後に世界の終わりが来る数字です」と言ってきたけれど、そんな兆しはまったくなくて、「今日は900」となった日にもニュースは「過去最大をまた更新」と言うだけ。
 
「千を検査して九百人。東京人ならあなたも90%の率でコロナに感染しています」
 
なんて言い方をすることはなく、そしてとうとう一千を超えて千二百になり千六百。
 
ここに至って「ホラ見ろ」と思うことになる。〈千人〉でなく何千人も、ひょっとしたら何万も検査している証拠だろうが。7%のまんま変わっているもんか。
 
と思うわけだがもうひとつ、特にあの予告宣言の後からニュースは【検査態勢のさらなる強化が必要】なんて言うようになってた。
 
これについても「違う」とおれの頭は言う。それが必要なのでなく、政治家やマスコミにそう言わせるための仕込みだ。12月に入って五千、五千五百、六千という具合に日の検査数を増やしたのだがしかしそんなの、おのずと限界があるのだろう。だから《10日後に緊急事態宣言を》とやることで首相の管だの都知事の小池に、
「検査態勢のさらなる強化が必要です」
と〈古代進〉が言い、管や小池に、
「認めます」
と言わせてそのためのカネを出させる。カネさえもらえばそれができる準備は整えられていたので、後は《今日は一万二千を検査》《今日は一万六千を検査》とやるだけ。
 
それで実際は増えてなくても1200、1600という数字を出してやることができる。仮に割合で10パーの場合ね。で、〈1月7日〉だ。ここでドーンと二万五千を検査すれば、前日比1.5倍の2447という数字を出して見せてやることができる。
 
「こういうことがあらかじめ仕組まれていたってことですよ上田さん!」と、『TRICK』の山田奈緒子がおれの脳内で、阿部寛が演じていたどんと来い学者に言うことになったわけである。たぶん、ほんとは増えるどころか、減ってるんじゃないでしょうか。コロナは今年の新型風邪に押されて自然消滅に向かいつつある。それをこの、
 
画像:出世に無縁な霞が関の外れ者 アフェリエイト:シン・ゴジラ
 
〈出世に無縁な霞が関の外れ者〉である男が知ったのだけど、こいつにとってその事実は非常に都合が悪いわけです。この男はちっぽけで汚らしいトカゲだから人に嫌われているわけですが、「俺はティラノサウルスだ。俺はティラノサウルスなんだ」と自分に毎日言い聞かせているんですね。こいつにとって〈コロナの禍〉とは、《俺がティラノサウルスなのを世にわからせてやれるチャンス》なんです。
 
だからこの最初にして最後のチャンスを決して逃してはならない!となる。こいつはたぶん本当にただそれだけが目的で出世はどうでもいいのかもしれませんが、こいつの上にあの映画で長谷川博己が演じていた主役のようなのがいる。
 
つまり〈古代進〉ですね。コロナを〈スカイネット〉と考え、《日本が世界の中心だから日本を目指して来るもの》と考えているやつです。麻原彰晃であり『ガンダム』のギレン・ザビでもあるために、《人類を絶滅させて自分にヒレ伏す者だけ残そう。それが理想の未来だ》という妄想に憑りつかれる。
 
画像:PC画面に映る長谷川博己 アフェリエイト:シン・ゴジラ
 
『デスノート』の夜神ライトでもあるというやつ。だから自分が〈コロナを使うためのノート〉を手に入れたと錯覚し、市川実日子が決める〈ルール〉を疑いもせず信じ込んで、
 
「このノートに[○○以外死ぬ]と書いたらそれ以外みんな死ぬんだな。もちろんそれでいいんだが、あのマンガと似てるがちょっと違うのは《殺す相手の顔と名前がわかっていなければならない》じゃなく《禍を起こすのに必要な日の感染者と累計の数字が人間にはわからない》こと……」
 
「そうです」と市川実日子。
 
「でも二千とでも言えば、いくらなんでも来るんじゃないのか。それにもうひとつ大事なのは、《無駄と知りつつ民を救う努力は全力で尽くした》という体裁は整えておかなきゃいけないことだ」
 
「はい。でないとあなたは〈新世界の神〉となることができません」
 
「そうだ」と長谷川博己。
 
てな考えでも持ってこれをやったんだろう。でも〈波〉なんか来るわけがねえ。明日のニュースがどうなるか見ものだ。とおれは思ったのだが、その[明日]の話は次稿で。 
 
作品名:端数報告7 作家名:島田信之