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端数報告7

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だからコロナは日本で、人類絶滅の〈禍〉を起こすのだ。日本人はそう思うので、そう聞こえる報道がされた。その〈波〉がいつ来るかというのは、東京の日の感染者数と累計によって決まるのだ。
 
「決まらねえよ!」とおれが言ってもダメなので《鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス》ということになる。検査数を増やしてやれば実際には減っていても確認数を増やせるじゃないか。それで人類を絶滅させて、自分を信じる人間だけを助けることができるじゃないか。
 
俺だ! 俺こそが古代進だ。生き残ったわずかな者に、それをわからせてやれるじゃないか、と――そんな考えでこれを始めたに違いない。バカめ、とおれは確信して自分に当てた銃の引き金を引いた。
 
つまり[割合]についてこの時ブログに書いて出したわけだ。〈波〉なんて来るわけがないし〈古代進〉の企みはグズグズになって終わるだろう。コロナはただの風邪だったことがわかって〈ハレー彗星〉の後の如しだ。
 
と思いながら見ていると歳末には「今日は東京で800」とか「900」と言うようになった。おやおや千を超えちまうぞ。東京都の人口よりも多く東京にいることにする気か。
 
と思いながら見ているとそこでテレビが、
 
「政府は年明けの来年1月7日に緊急事態宣言を出すと発表しました!」
 
と言うので「ん?」と思うことになる。のだけどそれは次の稿で。
 
作品名:端数報告7 作家名:島田信之