縄文時代を知っていますか《2》
今年になって新しい興味の対象を見つけた私としては、写真でしか見ることがないような縄文時代の「土器」・「土偶」の本物を、どうしても確かめたくなって、それらを展示している博物館へ出掛けることにしたのですが、そこに出掛ける前に調べてみて分かったのは、日本全国に数多くの縄文遺跡と、発掘された遺物を展示した博物館が数多く存在していると言うことです。
恐らく30ヶ所くらいはあるのではないでしょうか。日本国内において、これほど多くの縄文時代の証拠品があって、それらを展示してある施設が多いのは全くの驚きで、数ヶ所でも良いので訪れてみたくなり、取り敢えず3ヶ所の施設を訪れました。
九州から3日間の予定で、
東京都の国立博物館、
山梨県笛吹市の釈迦堂遺跡博物館、
新潟県長岡市の新潟県立博物館を見学しました。
石器時代は旧石器時代と新石器時代に分けることが出来、縄文時代とは新石器時代に相当するようです。それより更に遡った旧石器時代の世界はどんなものだったのでしょうか。旧石器時代ともなると数万年前になるのでしょう。もちろん年表では表せない、はっきりとは区分できないのです。
私たちが(少なくとも私は)石器時代と言う時代を聞いて想像していたのは、毛皮をまとった毛むくじゃらの原始人が協力しながら石の武器を持ってナウマン象などの大きな動物を狩り、自分たちの家族が待っている洞穴で火を使って焼いた肉などを食していた…と言った感じでした。
旧石器時代と新石器時代の境目は、彼らが使う道具が進化した頃で分けられるようです。単なる石の加工品から進化した、「木を使った道具や土器の発明」が彼らの生活を豊かにしていきました。
長い時間をかけながら段々と生活に欠かせない道具が出てきたようで、その中でも「縄とか紐」「土器」「弓矢」などの発明が縄文人の生活向上にとって大きかったようです。
そんな知恵を活かした生活に必要な道具類は、何しろお手本も何もないところから作り上げたのですから、ある意味現代に生きる我々を超えた能力を持っていたに違いありません。恐るべし、縄文人…です。
しかし単純に疑問に思うのが、そんな数万年も前の時代をどのように特定(時代考証)出来るのかどうかです。文字もなく記録も無いのですから。
しかしいろいろな学問があるもので、どの本にも時代考証に関してのある程度の共通の説明があり、大まかに基本ラインは合致しているようです。
1800年代(日本では江戸時代後期頃)に入ると、主に欧州の研究学者たちは人類の歴史を探求すべく色々な方法で研究を始めました。
世界の各地で発見されている「遺跡」から、次々に発掘される遺物は、研究者の探求意欲をそそります。そして1950年頃には科学的に時代を特定する方法「放射性炭素14年代法」と呼ばれる年代測定方法が設定されて、一気に遺物の時代考証が可能になって来ています。凡そ2万6000年前まで測定出来るそうです。
作品名:縄文時代を知っていますか《2》 作家名:上野忠司