緑の怪物
人の背丈よりずっと大きく、それは目のない目で鬱蒼とした木々の中から僕を見ていることもあれば、夜中ずっと枯れた噴水から部屋を見上げていることもある。
パパもママも信じてくれない。
(中略)
僕はあまり庭に出ないようにした。庭を歩く時は枯れた噴水の傍は通らないように、木々の隙間からあの怪物が覗いていないかを注意するようにしなければならない。
(中略)
誰の目にも見えない緑の幽霊。僕には分かっている。あれはは邪悪なものなんだ。
油断をすればいつかあれに襲われるのだ。
僕は眠る前に神様にお祈りをした。
あれが家の中まで入ってきて襲ってこないように。
(中略)
僕があんまり怖がるから、パパがしばらくの間僕をお祖母ちゃんの家に行くようにしてくれた。
良かった。明日からあれに会わないで済むと思うとほっとする。
(ノートに続きはない)