ミックスナッツ(続・おしゃべりさんのひとり言 106)
ミックスナッツ
「キダさん、わたしはキノウ、かえりマス。ありがとうごジャいました」
「?・・・ああ、昨日戻って来たんだね。向こうは暑かった?」
「ニッポンのほうがアツぃww」
今日、部下のベトナム人が、夏休みを利用して暫く帰国してたからって、お土産を持って来てくれた。
その素朴な紙袋の中に、透明プラスチックの円い容器があって、何やらカブトムシの幼虫のようなものが200個ぐらい、整然と円形に並べて入ってるのが見える。
(なんだこれ?)
ピンクっぽい表皮に薄茶色い斑点の入った、木の実か、豆か?
ラベルに『hạt điều』と記載されていて、Google翻訳カメラで撮って見ると『カシューナッツ』と表示されたんだ。
カシューナッツって言ったら、勾玉みたいな形して、表面ツルツル状態のやつしか見たことなかったけど、これはまだ全部に渋皮が付いているようだ。
どんな味がするのか楽しみで、今晩飲みながら食べてみようと思った。
皆さんはお酒を飲む時、何をツマミに選びますか?
ビールに枝豆、焼酎にスルメ、日本酒に塩辛なんてのはベタでしょうか。
洋酒だと少し趣が変わって、ワインにチーズ、生ハム、ウィスキーにサラミ、ポッキー・・・
あああ、定番を書こうと思っても、最適なツマミが選択できません。
いくらでも思い浮かんでしまい、どれが一番合うかなんて、なかなか決めきれない。
僕がよく飲むお酒には、ウォッカとジンがあります。
カクテルベースに定番のお酒ですので、いくつかの銘柄を自宅に常備しています。
僕は大学の頃お世話になってた年上の方から、カクテルの魅力を叩き込まれたので、今でもホテルに泊まるとそれをバーで飲んだり、自宅でも作ってお客をもてなしたりします。
昔から特にウォッカが好きで、割るジュースやシロップ、リキュールが無い場合でも、ロックでライムを絞っただけのシンプルなものを飲みます。
上あご辺りで、キューっと焼けるような感覚が好きです。
でもそれは消毒薬臭い味なので、口直しのツマミが重要です。
それに一番合うのがチョコレートだと思います。
これも大学の時、お世話になってた方から教わりましたので、今でも必ずチョコでウォッカを飲みます。
これがベストマッチングです。
ウォッカの種類で『ズブロッカ』という銘柄があるのですが、そのうちの一つの緑ボトルの中には、草の茎のようなもの(バイソングラス)が一本入っています。
それがすごくいい香りを出すんです。
原液で飲むと分かるんですが、まるで桜餅のような風味です。
このズブロッカの場合は、ストロベリーチョコや抹茶チョコを当てて、香りのハーモニーを楽しむのをお勧めします。
じゃ、ジンを飲む時はどうするかって言うと、チョコではベストとは言えません。
もっともジンはロックなんかより、ほぼ必ずカクテルにして飲むので、特にアテなんか必要ないと思います。
オレンジジュースで割ったり、ジンジャーエールで割ったり、ジン自体の香りがいいので、すっきり飲み干せてしまいます。
それでも僕は、ジントニックを飲む時だけは、別のツマミが必要です。それはナッツです。
その習慣がなぜついたかと言うと、飛行機によく乗るので夜間飛行では眠るために、機内でお酒を飲むってのが当たり前になりました。
僕は普段からあまりアルコールに酔わない体質なので、意図的に濃いのを飲むことになります。
そこでやっぱり、おツマミがないとね。
エコノミークラスだと、ツマミにパック菓子をもらえます。JALやANAだと『あられ』ですが、お茶飲むんじゃないのに、お酒のアテにはどうかと。
海外の航空会社だと、まったくカスカスの『クラッカー』や『プリッツェル』てことが多いです。それだとワインやビールも不味くなります。
でもビジネスクラス以上になると、大体どの航空会社もお皿にナッツをくれます。
それが唯一の救い。それと『ジントニック』が合うんです。
客室乗務員にお願いすると、50mlくらいのジンの小瓶と160mlのトニックウォーター缶を持って来てくれるので、濃度も自分好みに調節可能。
たまにレモンかライムのカットを持って来てくれる時もあります。こんな時は笑顔で「Thank you veryvery much!」です。
僕はジンを2~3本もらって、トニックと1対1くらいで割って、思いっきり濃いのを作り、ちびちび飲むのが好きですが、それにナッツ類が最高に合うんですよね。
もらえるナッツは、アーモンドだけってことも多いですけど、ラッキーな時にはミックスナッツってこともあるんです。
だから僕は、家でジントニックを飲む場合も、必ずミックスナッツをお供にしています。
作品名:ミックスナッツ(続・おしゃべりさんのひとり言 106) 作家名:亨利(ヘンリー)