ザスターズハイツ
「チャリン・チャリン・チャリン」
真冬の夜は、街が徒の置物に変わる
「チャリン・チャリン・チャリン」
何処からか、鈴の音が・・・ほら
「チャリン・チャリン・チャリン」
星屑の様に、一面響き合う
この何とも言えない、寂しさはきっと宿命なんだろう
しかし、僕の瞳に写ったのは運命の人
唐突だったため、茶目っ気でさも、一心同体を装っていたがそこは片割れ、お互いの溝は容易く埋まって行った
笑わないで聞いてくれよ
此処に有るすべてのものが冷たくても、僕らは、その必要は無い
だけど、僕も君もこの世界に覆われている
しかし、これからは、僕ら自身が染めていけばいい、お分かりか?
思わず指を、通り過ぎた道の一角へ指した
そこは無造作に積まれた廃材の山が有った
しかし僕らには、不必要な物達がまるで身を寄せ、肌を合わせるかのように写ったんだ
これはきっと間違いなんだ
希望にしないと生けないね
拾い集め手分けし、手を取り僕は思った
二人が出会う前のこの世界は、生きて居ながらに、目を伏せていたから、光の温かさを
知らずに死んでいたんだ
「チャリン・チャリン・チャリン」
寂しい?静かなだけさ
不安?常に物音がするのが、賑やかだと思って無いかい?
すべて、徒のまやかしさ、野暮で無粋で詰まらぬ、道化の様にいられるのは、きっと帰る世界を見つけたから
可笑しいね、黙ってたって居られるのにね