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トンボ
コスモスの写真を撮っている時に
カメラを支えている手にトンボが停まった
そうか撮って欲しいのかとパシャリ
まだ動かないのはアップにして欲しいのか
パシャリ まだ動かない
連れに見せてあげようと移動しても
まだ停まったままだ
ほらコスモス畑にお帰り
手を振ったらやっと飛び去った
さっきお昼を食べたばかりだから
何か付いていたのかな
子ども時代を振り返ってみても
空を飛ぶ大群をみたことはあるが
こんなに長い間手に停まっていたことはない
つい考えてしまうことは
すでにこの世にいない誰かの生まれ変わり
さて誰だったのだろう
ちょっと嬉しいような悲しい様な気分だ
トンボの姿はもう見えない
想い出したいくつかの顔
特定できるわけではなく
曖昧なまま歩き出す