人生の織物
その１２
関西在住の娘は仕事を始めて１０年をとおに過ぎ、会社では重宝されるようになった。ミャンマーの長女も健在でたまのフェイスブックで更新される記事は私の楽しみとなっている。
次女は子供のことでよくメールしてくるが、私は寄り添った会話で返信している。彼女が不安定なまま状況して大学生活を送っているときは高い電話代を払って電話をしてきた。
私は病む者への会話術を勉強してきたので、いわば常にカウンセリングをしているようなものだった。娘はお母さんと話していると元気になるといつも言っていたが卒業できたのは良かった。今は孫のことを細かく報告してくるが、私にメールを書くことで娘自身も落ち着くのだろう。
私の友達の一人は常に自分の娘に物を送ってもらい、電話をかけてきて気遣ってくれると自慢している。この年になると親子逆転の人たちもいるようだ。
私の母がそうであったように、私も娘の話の聞き役としてこの先も強くありたいと願っている。
完