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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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通勤は戦いだ

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反省することが多すぎた



 日曜日、ゴルフの帰りの「反省会」だった。
「反省会」といっても、深刻な会ではない。
年に何回か、決まったメンバーでゴルフをするが、その後の飲み会である。
しかし、今回に限っては、反省すべきことがいくつかあった。

 午前中、7番のミドルホール(プロだと、4打以内)で、私は一二回打った。〈よく間違えないで数えられたものだ〉
ゴルフをする人は、皆紳士、という前提がある。
私も紳士だ。したがって、正直に申告しなければならない。
もし、ウソの申告をしてバレた場合、私の品位に傷がつく。
小心者の私は、ゴルフのスコアだけは誤魔化したことがない。

 ドライバーを左に引っかけてOBだった。
池に二回落とし、バンカーにも入れた。コース設計者が仕組んだ罠に、すべて嵌った。
ところが、あとで気づいたことがある。

 ティーグランドに小さな動物がいた。
はじめ見たとき、子犬か猫かと思った。
目を閉じて眠っているようだった。人に慣れているらしく、逃げる気配がなかった。
そばに寄って見ると、狐だった。
狐は細い目を開けて、こちらをじっと見た。
作品名:通勤は戦いだ 作家名:ヤブ田玄白