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老後の大切なもの

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その5


私がパソコンを始めて、色々なSNSに属してネットの友達と話しとても楽しい時期があった。その頃は自分より随分若い人との交わりが楽しくて自分も若い気になっていた。ところが最近はそのようなエネルギーが失せて、メールをするのも面倒になってきた。

ときどき誰かと話したくなると、身近な同年配の女性に電話を掛ける。趣味がなく時間を持て余している友人達とは現実的な諸々の雑談をすることができる。会おうと思えば会って会食もできる。

私の一日はほとんど決まったライフワークで時間が潰れるが、たまに友人と会ったり電話でとりとめのない話をするのも良いもので、この人たちがいなくなったら多分、寂しくなるだろうなと思うと、どのような生活形態をしている友人もみな大切な存在に思えてくる。

老後の生活はそれがすべてではないが、友が居て支え合えることはとてもありがたいことだと最近は、とみに思うようになった。みんな健康で長生きしてほしいと願っている。


  完
作品名:老後の大切なもの 作家名:笹峰霧子