ちょっと高すぎたのではないか
映画『刑務所の中』は、崔洋一監督の作品。
花輪和一という漫画家が銃刀不法所持などの罪で刑務所に入った時の体験を映画化したものだ。
花輪さんは、原作のマンガで「手塚治虫文化賞」の最有力候補になったが、「自分にはその資格がない」と言って辞退した人だ。
もったいないが清々しい話である。
映画のほうも、タイトルから受ける感じとは裏腹に、のんびり系で気持ちいい。
北海道の日高刑務所が舞台だ。
清潔で整理整頓された所内で、受刑者五人の仲間の日常生活が描かれている。
すべては、「規律」「規律」「規律」だ。
廊下を歩く歩数も、服のたたみ方もすべて決められている。
一日は、体操、労働、食事、睡眠。そして、たまの娯楽。それの繰り返しだ。
〈毎日、決まったことやるところ、私とよく似ている。そばに猫がいれば、私そのものである)
特に感心したのは、ごはんがおいしそうだったこと。
正月三ケ日のメニューなど、今、一般の家庭では食べられないほど充実している。(詳細は紙数の関係で割愛)
作品名:ちょっと高すぎたのではないか 作家名:ヤブ田玄白