八人の住人
最後に、彼女が泣きながらツイッターに書き残した事について、僕なりの意見を述べて、終わりにします。
「みんなが私を褒める理由が分からない、私を慰める目的が分からない、優しくしてくれるのがなぜなのか分からない。誰に聞いても答えてくれない」
時子はそうつぶやいて泣きました。でも、僕達は時子に何度も伝えています。
君が大切だから。
君の事が好きだから。
君は本当にいい子だから。
でも、これらの理由は、時子には想定不可能です。人は、あまりに予想と違う答えは、受け入れようとしません。
彼女が虐げられた過去の気持ちでいる限り、僕や、時子の夫、時子の叔母にそう言われても、彼女の心には残らない。
僕は時折、強い無力感に苛まれるのです。
何を言っても、僕達の伝えたい事だけは、この子に聞いてもらえない。この子は母親の話しか聞かない。それは本当に恐ろしい事です。
日々、僕は自分に出来る事を探しています。