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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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八人の住人

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最後に、彼女が泣きながらツイッターに書き残した事について、僕なりの意見を述べて、終わりにします。

「みんなが私を褒める理由が分からない、私を慰める目的が分からない、優しくしてくれるのがなぜなのか分からない。誰に聞いても答えてくれない」

時子はそうつぶやいて泣きました。でも、僕達は時子に何度も伝えています。

君が大切だから。

君の事が好きだから。

君は本当にいい子だから。

でも、これらの理由は、時子には想定不可能です。人は、あまりに予想と違う答えは、受け入れようとしません。

彼女が虐げられた過去の気持ちでいる限り、僕や、時子の夫、時子の叔母にそう言われても、彼女の心には残らない。


僕は時折、強い無力感に苛まれるのです。

何を言っても、僕達の伝えたい事だけは、この子に聞いてもらえない。この子は母親の話しか聞かない。それは本当に恐ろしい事です。

日々、僕は自分に出来る事を探しています。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎