帰りの電車で人身事故だった
内容は、グループワークだった。
与えられたテーマについて、グループで討議して、まとめて発表する。
最後に全体討論がある。
参加者は全体で二百人ぐらいだったので、十人ぐらいのグループに分かれた。講師はその場で、各グループのリーダーと発表者を指名する。
こういう場合重要なことは、講師と目を合わせないことだ。
私は控え目な性格だから、こういう時は有利かもしれない。その作戦が成功して、私はリーダーにも発表者にも当たらなかった。
講師は各グループの発表が終わると、ニコニコしながら、
「なかなかいいですね」などと講評をのべる程度である。
私が、看護学校の授業で採用している手法と同じだ。
私以外にああいうやり方を知っている人がいることは意外だった。私の授業を覗いたことがあるのだろうか。
私の場合は、発表まで十分時間を与えているが、今回はいきなりである。
私も無茶なやり方だと反省していたが、その上をいく講師もいたのだ。
作品名:帰りの電車で人身事故だった 作家名:ヤブ田玄白