帰りの電車で人身事故だった
座右の銘
「節電」が叫ばれた昨年の春だったが、新聞に、こういう記事があった。
新しい「座右の銘」として、「温故知新」ならぬ「温故知涼」はいかが? というものだ。
節電の夏に備えて、昔の人の知恵を真似たらどうか、という提案である。
クーラーよりも、扇子や団扇、簾やかき氷といったことらしかった。
団扇が好きな私には、好ましい言葉のように思われる。
「座右の銘」にもいろいろある。
「明日のために今日がある」とか、「明日は明日の風が吹く」などは、わかりやすい。
私は「明日のために今日がある」より「明日は明日の風が吹く」がいいと思う。
若いころから「座右の銘」が好きだった。
中学のころは、「何事も正確に迅速に」が、座右の銘だった。
工場の作業マニュアルのようだが、真面目な学生生活を表した言葉と考えられる。
しかし、大人になって働くようになってからは、
「早寝、早起き、朝ごはん」が座右の銘になった。
作品名:帰りの電車で人身事故だった 作家名:ヤブ田玄白