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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「産業医」の研修会に行った

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話のわかるクレーマーでよかった



 二回目の「夜間院長」がまわってきた。
今日は何となく胸騒ぎがする。

 夜の8時半ごろだった。
救急外来のナース、Мさんから私のPHSに連絡がはいった。
「先生、今、外来に電話がきてるんですけど、出てくれませんか?
とっても態度の悪い人で、私の手に負えません。この電話とってくれませんか」という。

 〈そんなこと、『夜間院長』の仕事じゃないだろう。お前が自分で片付けろ!〉と怒鳴りつけたかった。
が、人格者の私(弱気な私)は、「そうか。しようがないネ」と言って電話をとった。

 相手は男だった。いきなり、こう言った。
「あんた、名前なんてエの?」
電話に出る前からドキドキしていた私は、
「ハ、ハイ。ヤブタです。」と答えた。
「そうか。あんたは素直に名前いってくれたネ。ヨシヨシ、これから行くから待ってろ。言いたいこといっぱいあるから、たっぷり時間とって待ってろ」
と電話は切れた。