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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「産業医」の研修会に行った

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「産業医」の研修会に行った


              
 私は定年退職した後も働くつもりだ。
働かないと食べていけないわけではないが、働かないで家にいるのは、精神的にも肉体的にもよくない。早くボケるだろう。
友人のKなどは、仕事がなくなって一日家にいると、身の置き所がなくて苦労しているらしい。
私は、猫と仲良く暮らしているから心配ないと思うが、それでも一日猫と遊んでいるわけにもいかない。

 私が「産業医」の資格を保持しているのは定年後の再就職のためなのだ。
資格を保持するために研修会へ出席しなければならない。
年に何回か開かれているが、今回はまとめて単位を取るため、泊まりがけですこし遠くへ出かけた。
J医大だった。

 二日目に、「実地」という聞きなれないコマがあった。
「実地」と聞くと、心穏やかでないものがある。
大学生のころ、運転免許の実地試験で、同乗した試験官から「アンタほど下手な人は見た事がない」と言われて、しばらく立ち直れなかったからだ。
しかし、「実地」の単位は必修である。これなしには産業医資格を更新できない。