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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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続 金曜の夜、人間は二つに分かれる

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アー、花の金曜日



 この前、「土曜日は山へ登る日なのか」を書いて、一部読者の間で反響を呼んだが、今回はそれを上回る内容で勝負したい。
土曜日ではない。もっといい日だ。
金曜の夜である。
連休の前の日だから、心ときめく日のはずだ。
(しかし、私は、明日も仕事がある。)

 夕方、駅のホームで帰りの電車を待っていると、人々の様子がいつもと違う。
笑顔が多いし、笑い声がただならない。(と感じるのは、私のひがみなのだろうか)
部活帰りらしい、学生たちの会話もいつも以上にはずんでいる。

 駅に着いて、改札口へ向かう。この瞬間がいちばん問題だ。
大勢の人たちがぞろぞろ歩いているが、この人たちは皆、これで一週間が終わって、明日から二日間、自由な時間を楽しむ。
それに比べて、私は違う。悲哀と孤独感で心が冷たくなる時だ。