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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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カンチューハイを車内で飲む男

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 お金のことをいろいろ言われているうちに、だんだん私は気分が悪くなった。
話し合いは苦手である。
だいたい、皆最初から、「ヤブ田はどうせ何も反論できない」と、バカにしているのだ。

 私はついに我慢しきれなくなって、キレてしまった。珍しい事もある。
「黙って聞いてれば、いい気になって。フザケンナ!
人もよこさない、モノも買ってくれない。もっと働け、収益上げろって、人を動物みたいに使いやがって。
ウチの猫みてみろ。猫のほうがいいぞ。働いたらちゃんと飯食わしてもらってるから。
そういえば、私もメシだけは食っている。失礼しました。
ともかく、こんなひどい条件で、黒字にしろったって無理だろう。そんなに言うなら、自分でやってみろ!」

 おとなしい私が、ついに正義のために立ち上がったのだ。
出席者一同、青ざめたようだった。
無言のまま、重い空気が流れた。
私は静かに席を立ち、そのまま自室に戻ったのである。