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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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感謝せずにはいられない

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 8時になった。
膝も心も軽くなって、看護師長と院内巡視を開始した。
看護師長は、スラッと背の高い元気そうな人だった。
彼女は大またでドンドン前へ進む。
私は早足でついて行った。
途中で、すこし膝が痛くなりかけたが、
「アノォ、ちょっと待ってヨ」と声をかける間もなく、彼女は前へ進んで行く。

 巡回が終わるころ、彼女が言った。
「この前、私が当直のとき、入院患者が脱走したんですヨ」
「ヘェ」私は驚いた。
「脱走したらどうするの?」
「追いかけるんです」
「エッ、そうなの」私はもっと驚いた。