故郷へ帰った (二)
この言葉は、私に限らず、教育上大切な言葉で、子供が正しく成長するのに必要と言われている。
これが出来ないと、他人に迷惑がかかる。
私は朝早いのが取り柄で、病院に早く着くが、お陰で仕事が能率よくできる。
私の科の若い医者には、朝遅いのがいるが、こういう医者に限って仕事ものろくて、役に立たない。
そのくせ、会議では、自分一人が遅くまで働いているような事を言う。
私はそのたびに、〈笑わせるな!〉と(笑っているのではなく)怒っている。
友人の娘も、朝起きられないために人に迷惑かけているという。
こういうのは、一種の「生活習慣病」といっていいだろう。
人間は、「早く起きなければ殺される」というぐらい追い込まれないと、朝はゆっくり寝ているものだ。(学生の頃の私がそうだった)
ところが六〇歳を過ぎて、疲れやすくなり、座右の銘も変わった。
作品名:故郷へ帰った (二) 作家名:ヤブ田玄白