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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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故郷へ帰った (二)

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「運」について掘り下げてみる



 だいぶ前、市民講座で姓名判断の先生の講演を聞いたことがある。
そのあと私は、「一度、姓名判断してもらいたい」という文章を書いた。
その中で「運が悪いため苦労している」と書いたが、読む人によっては、私の我儘と受けとったらしく、努力の不足を運のせいにするのはよくないと、指摘を受けた。
そこで私は、もう一度、自分だけでなく、世間一般の「運」について考え直すことにした。

 「金運」、「仕事運」、「結婚運」などとよばれるものだ。
人生の大事なことの大半に運が関係する。
私の場合、「金運」はふつうだ。
年末ジャンボを買って大金に当たったことはないが、大損したこともない。

 買う時は皆、三〇〇円で三億円せしめようと思っているのだが、それは少し欲が深すぎる。
私は三億円に当たったことはないが、三億円の使いみちについては、いつも綿密な計画を立てている。
使い道を考えている時間は楽しい。
その時間のほうが、5等で三千円当たるより幸せだろう、と思っていたが、実際に三千円当たった時はうれしかった。