小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

故郷へ帰った (二)

INDEX|138ページ/167ページ|

次のページ前のページ
 

 こういう時は、正確な情報を迅速に伝えてほしい。
最初の車内アナウンスでは、確かこう言った。
「ただいま現場からの連絡では、レスキュー隊が作業中とのことです。今しばらくお待ちください」
〈もう少しだな〉と私は期待した。

 ところがそれから一五分ぐらいして、
「ただいま現場からの情報では、今、レスキュー隊が現地に到着して、救助作業に取り掛かったとのことです。しばらくお待ちください」
〈これはなんだ。ひどいミスではないか。最初のアナウンスはなんだったのだろう〉
もし私が病院で、
「最初にご説明した時、良性の腫瘍と言いましたが、詳しく調べたところガンでした」と言ったら、私も院長もしばらく病院に行けなくなる。

 それからだいぶ経って、またアナウンスがあった。
「ただいま、レスキュー隊の作業が終了しました。これから、警察の現場検証が始まるとの連絡が入りました。三〇分ぐらいかかる見込みですので、お忙しいところ申し訳ありませんが、しばらくお待ちください」
このアナウンスの前に、実際には、
「警察官が現場検証のため、警察署から出た」という情報も入ったはずだ。
しかし、そのアナウンスは省略された。警察署から出ても、都合で家に帰ってしまう人もいるからだろう。