小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

通勤電車に詩人がいる

INDEX|58ページ/149ページ|

次のページ前のページ
 

 ターミナル駅に着いて、急行電車を待った。
整列乗車の前から三番目で、座れそうな感じだった。
電車のドアが開いて、私は空席を目指した。

 ところが、私が座ろうとした席は、一人のオバサンがデパートの紙袋で塞いでいた。
手を振りながら大声で、
「○○さーん、○○さーん、はやくー!」と叫んでいる。
私はムッとして、文句を言ってやろうと思った。
しかし、強そうなオバサンの顔を見た瞬間、とても勝てそうにないと思って、遠くのツリ革につかまった。

 私は思った。
〈あのオバサンも、何十年か前は花嫁姿だったのだろう。
皆に「素晴らしい性格のお嬢様です。」と誉められたかもしれない。
その後、ああなったのは、環境のせいなのだろうか、それとも、もともとそういう人だったのだろうか?〉
いろいろ考えさせられる一日だった。