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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「検食院長」なのか

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 相手は、健康に自信を持った「お客様」だから、何か異常が見つかった場合、とても気を遣う。
私は週一回だけ、ほんのお手伝い程度だからいいけれど、毎日やったらどんなに神経が疲れるだろう。

 「たいへん申し上げにくいことですが、今回血液検査で、コレステロールが高めでした。これは高いからいいというわけではありません。
よくご存知かもしれませんが、悪玉などといって、いえ、決してあなたが悪玉だと言っているのではありません。
貴方の身体にある血の一部を調べたら、たまたま、検査した人の機嫌が悪かったのかもしれませんが、数値が高く出てしまいました。いえ、決して悪げがあったわけではないんです。
機械の故障かも知れませんが、今回はそういう結果だったので、注意してください。
あまり、美味しいものばかり召し上がらないで、私のように、昼はタンメンとか山菜うどんを中心にするといいかもしれませんネ」
などと、受診者の神経にさわらないよう、気配りしながら説明しなければならない。
作品名:「検食院長」なのか 作家名:ヤブ田玄白