「赤字部門再建会議」
昔はテレビが面白かったような気がする
最近、テレビが面白くなくなったという話をよく聞く。
子供のころは特に面白いと思った。
学生のころや、大人になってからも、しばらくテレビは面白かった。
最近はあまり見ない。
目が疲れるし、テレビに出ている人たちが面白そうに笑っているのをみると、なんだか面白くない。
もう一つは個人的な理由かもしれないが、医者顔負けの、病気の番組が高い視聴率を誇っていることに関係ある。
〈どーせ、ウソばっかりだろう〉と思って見ていると、意外に正しい内容だったりして、どうも面白くない。
テレビの影響は大きく、テレビに出ている人が話したことは、尊重されるようだ。
病気のことについても、患者さんの中には、私よりテレビの意見を優先する人もいる。ほんとうにテレビは面白くない。
さらに、私とほぼ同じぐらいで医者になって、「奇跡の医者」とか「神の手」とか崇められて、ひっぱりだこの医者がいる。
私と比べてあまりに違う。まったくテレビは面白くない。
作品名:「赤字部門再建会議」 作家名:ヤブ田玄白