2002年3 月、神社の柏手や土俵の四隅の色にも意味あり
大鵬/32回、千代の富士/31回、北の湖/24回、優勝回数のベスト3に、貴乃花が22回で3位に迫っています。
果たしてあと2回の優勝はあるのか、疑問はあるもののまだ29歳。足の故障がなかったら十分に届く数字でしょう。しかしいずれも年間6場所での達成で、双葉山の優勝12回は年間2場所の時代。69連勝は、丸2年間は負けていないと言うとんでもない記録なのは間違いなく、全勝優勝8回はすごいですね。
6場所だったら果たして何回まで優勝回数を伸ばしたのか比較してみたくなります。
スポーツの多様化で、相撲は段々隅のほうの存在になってきました。それでも、もっとスター性のある力士が出てくれば、マスコミにもまだまだ訴えることは出来ます。興行面で言っても、見て面白い熱戦を期待したいものです。
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◆3月22日/一刹那(せつな)
もうすっかり春になり、今年は桜の開花が異常に早く、既に満開の桜の木もあるようです。つい先日まで冬季のオリンピックが開催されていた気がするのに。
特にタイムを競う種目が多いオリンピックを見ると、もう随分前(高校生の頃)に覚えて、何となく知ったかぶりで使っていた単語に「刹那」があったのを思い出します。まさしく瞬間と言う意味ですが、それでは具体的にそれは何秒位でしょうか。まぶたの瞬きくらいか…、それとも拍手を1回する位か…。
「刹那」は、元々は仏教からの言葉で、サンスクリットの「クシャナ」…きわめて短い時間の単位と言う意味らしい。仏教書には、色々な計算を経て一昼夜を24時間としたら一刹那は75分の1秒となっています。
2000年ほども前の人々が考えたとは思えないような時間の小さな単位と言えます。そんな昔に時間に縛られた生活をしていたとは思えないので、まさに人間の知恵の産物でしょう。
ギリシャの哲学者の思想がどんどん出たのもその頃ですかね。洋の東西に拘わらず、文化的な考え方の天才はいたのだと驚かされます。その頃の文字や地域の成り立ち方などの環境は今では想像もつかないし、どんな考え方から始まったのか知ってみたい気分にもなります。
ちなみに、日本の数字の単位はやはり仏典から出ています。億、兆…くらいまでは知っていても、京(けい)以上は日常とは全く関係ない数字。最大のところに、不可思議(ふかしぎ)、無量大数(むりょうたいすう)などがありますが、億より更に14桁も進んだ単位で、何が何だか分からない超特大の数字です。
勿論、小さい数字の単位も同じようにあり、分、厘、毛、糸……それから後は単なる教養の部分として存在するだけ。そんな事を考えるのも人間ですね。同じ人間とは思えないような頭脳を持って生まれた人間もいるのだと感心します。
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◆3月28日/エイプリルフール
早いもので、あと数日後は4月。何だか知らない間にどんどん時間が過ぎて行く感じで、これからの人生の残り時間がそんなに残っていない自分にとっては、貴重な時間のはずですが、相変わらずモソモソしていて反省ばかりの日常です。
ところで、4月1日は言わずと知れた「エイプリルフール」ですが、それは勿論ヨーロッパから伝わったもの。最近はそんな事はしませんが、子供の頃は嘘を付いても構わない日…と受け取って、たわいもない嘘を付いていた思い出もありますね。
江戸時代、日本では4月1日はたまたま「不義理の日」と言われていたようです。つまり、日頃からご無沙汰している相手に手紙を書いて、不義理をわびて近況を尋ねる日だったらしい。
堀部安兵衛が叔父の菅野六郎左衛門から、高田馬場の決闘を知らせる手紙を受け取ったのが4月1日。安兵衛はどうせ不義理の日の手紙だろうと、封を切らずに放っておいたために決闘に遅れたと言うことで、やはり昔からそんな事はあっていたのでしょうか。思い込みはどんな時にでも起こり得るものです。
エイプリルフールとは、寒い冬から開放されて、ホンワリした天候につい浮かれて「嘘をついても大目に見よう」と寛容になったのかどうか…。まあ、4月1日は今の日本では年度変わりの最初の日としてのイメージが強いですね。生徒、学生諸君、特に新1年生にとっては、それこそ新しいことずくめで緊張の4月でしょう。
1月のお正月ほどでもないが、何となく気分が新しくなったように感じられます。しかし、そのはずなのに、今の状況打破を模索している現状ではそうも言っておられずに、明るい春は来年以降に持ち越しの心境です。
作品名:2002年3 月、神社の柏手や土俵の四隅の色にも意味あり 作家名:上野倫五