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揺らぎ、ほろ酔い

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0:ブランコに座るユウキ

ユウキ:「はぁ…」

まなみ:「お疲れ」

ユウキ:「…どうしたんですか?」

まなみ:「今日は外でお酒でも飲もうかな〜と思ってブラついてたら、見覚えのある人がいるなと思ってさ」


ユウキ:「ははっ、すごい偶然」

まなみ:「ね。  飲む?」

ユウキ:「俺、ビールはあんまり」

まなみ:「ビールは私の。 ユウキくんには、はいスミノフ」

ユウキ:「ありがとうございます」

0:缶ビール開ける音(カシュッ)

まなみ:「(ズビッ) あーうま」

ユウキ:「…」

まなみ:「…あの子、なんか変なこと言わなかった?」

ユウキ:「…あはは」

まなみ:「一緒にいるときも、何も考えずに言葉を発しちゃうからさ、こっちもついついムカつく時あるんだよね笑」

ユウキ:「そうなんですね」

まなみ:「なんか引っかかること言ったんじゃないかと思ってさ」

ユウキ:「…俺が気にしすぎなだけだと思うんですけど」

まなみ:「うん」

ユウキ:「俺が愚痴こぼしたのもいけないと思うんですけど」

まなみ:「別に悪いことじゃないよ」

ユウキ:「ありがとうございます。 いま研究のことで悩んでて、ゼミの先生からもプレッシャーかけられてて、その…どうしていいかわかんないって言ったら」

まなみ:「うん」

ユウキ:「もっと広い視野で見たらどうですか?って言われて」

まなみ:「うん」

ユウキ:「カナコちゃんはたぶん、必死で考えてくれたんだと思うんですけど。なんかイラッとしちゃって。」

まなみ:「うん」

ユウキ:「そっから無言で、帰ってきちゃいました」

まなみ:「なるほどね」

ユウキ:「大人気ねーなーって、今になって反省してます」

まなみ:「ユウキくんが反省しなくても良いんじゃない?」

ユウキ:「え?」

まなみ:「反省すべきなのはカナコでしょ」

ユウキ:「そうですかね…」

まなみ:「この前もユウキくんとスタバ行った話を延々としてきたし」

ユウキ:「カナコちゃんあのことまで話してたんですね」

まなみ:「自分の話はずっとするくせに、こっちの話はほとんど聞かない。 自分が主人公って感じが強いのよね」

ユウキ:「そう…ですね」

まなみ:「ま、その引き立て役をしてるって感じなのかな、私は。」

ユウキ:「…俺はまなみさんのこと、素敵な人だと思ってます」

まなみ:「またまた」

ユウキ:「だから今日ここで会えて、 すごい嬉しかった」

まなみ:「(ズビッ)…酔ってるでしょ」

ユウキ:「わかんねぇっす」

まなみ:「今度はちゃんと居酒屋行ってお酒飲みましょ。奢るわよ。」

ユウキ:「ありがとうございます。…明日の夜、俺空いてます」

まなみ:「…じゃあ明日の夜7時に、ここ集合ね。」

ユウキ:「はい」

まなみ:「今日は一旦帰って、落ち着いた方が良いんじゃない?」

ユウキ:「……そう、します・・・・・・。」

まなみ:「ご飯まだでしょ?」

ユウキ:「あ、はい」

まなみ:「よかったらこれ食べて」

ユウキ:「なんですか?これ」

まなみ:「ハンバーグ」

ユウキ:「ありがとうございます…」

まなみ:「じゃあね」

ユウキ:「…あの」

まなみ:「ん?」

ユウキ:「途中まで一緒に帰っても良いですか?」

まなみ:「もちろん」

ユウキ:「………手、繋いでも良いですか?」

まなみ:「…」

ユウキ:「…」

まなみ:「手だけで良いの?(両腕を広げる)」

0:抱きつく音

まなみ:「…」

ユウキ:「…」

まなみ:「背、(顔を見上げる)高いんだね」

ユウキ:「…」

まなみ:「…」

ユウキ:「…」

まなみ:「…なに?」

0:リップ音
作品名:揺らぎ、ほろ酔い 作家名:平塚 毅