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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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女の歯医者さんだった

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 火曜日、過去に同じ機種のパソコンをなおした若い医者がいると聞いて、その男に頼んでみることにした。
ものはためし、という軽い気持だ。
ダメもとだ。宝くじを買うような気持だった。
要するに、ほとんど当てにしていなかった。

 ところが、意外なことは起こるものだ。
十分もたたないうち、
「先生、なおりました!」と報告があった。

 原因は、以前と同じで、パソコンの中にあるファン(小型扇風機のようなものだろう。内部で発生する熱を冷ますらしい)が外れていたためだった。
ファンをはめると、すぐに立ち上がったという。
パソコンは複雑な機械だが、動かなくなる原因は単純だ。
あの医者がパソコンをなおせたのは、原因が単純だったせいだろう。

 私は彼のお陰で、危ないところを助けられた。
日ごろの診療では、さほど目立った働きはしていないが、パソコンの治療技術は信頼できそうだ。
〈また、動かなくなったらよろしくお願いします。〉