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2001年・5月、あの頃に感じたこと

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私の双子の息子(中学生)は野球部で頑張っています。1人はオリックスファン、1人は巨人ファン、そして私はダイエーファン。共通する話題を持った親子3人での一喜一憂は、まことに楽しい。ひいきのチームの勝利とひいきの選手の活躍は、新聞を2度見ても構わないのです。

昭和33年の伝説的な「巨人×西鉄」の日本シリーズが、私の野球観戦の原点です。まだ9歳の子供にもしっかり印象を残してくれました。今でも当時の西鉄ナインの名前を思い出すほどで、九州の野球ファン拡大の一翼を担ったと思います。

ところで、昭和30年代まではセ・パ両リーグとも同じような人気があったのに、TV中継が巨人戦中心になったため、パ・リーグの観客数が少ないのが残念でなりません。
 
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◆5月30日/鬼の形相

先日の大相撲で、千秋楽・優勝決定戦後の横綱の貴乃花のあの顔は、彼が恐らく初めて見せた「仁王の顔」だったでしょう。柏鵬時代から相撲を見ている自分でも、あんな顔の力士は初めて見ました。相撲取りはなかなか気持ちを表に出さないが、怪我を抱えていながら決定戦を戦った貴乃花は、さすがに一味違う迫力でした。  

しかし逆に、武蔵丸はやりにくかったに違いない、本気で相撲を取れたのかどうか、知らぬ間に遠慮があったのかも知れません。
ロサンゼルスオリンピック、柔道の山下康裕VSエジプトのラシュワンの試合を思い出します。ラシュワンは山下の負傷した足は狙わずに、最後までフェアに試合をした。価値ある銀メダルと言われたものです。

それにしても、最近の大相撲はあまり面白くないですね。他のいろいろなスポーツ種目を見る機会が増えているのは事実ですが、昔ほど面白味がないのは、体が大きくなりすぎて「技らしいワザ」が少ないからでしょう。「寄りきり」や「突き落とし」なんてのが主流だと、ただのデブ同士のぶつかり合いに見えてきます。勿論、鍛えに鍛えているとは思うのですが、やはり興行としては面白くない。

初代若乃花の二枚蹴りや呼び戻し、ツリの明武谷、突貫小僧・房錦、もろ差しの鶴ヶ峰、輪島の黄金の下手投げ、ガブリの琴風、速攻の千代の富士、最近では八艘飛びの舞の海…そのほか個性派力士は数えれば切りがないほどでした。

そんな中、モンゴル出身の朝青龍は場所の前半を盛り上げました。「青」は中国では方位で東、季節で春、動物で龍を表すらしいので、四股名からして若武者にピッタリ。見ていて気持ちの良い力士の一人ですね。
体つきと雰囲気が、若い頃の千代の富士を彷彿とさせます。これからの土俵を支えると思われる栃東、琴光喜、若の里、等々との出世争いに期待出来ます。

ところで、「仁王」と言えば、奈良・東大寺南大門の「あ・うん」で有名な金剛力士像を思い出す人も多いでしょう。仁王像とは仏法の守護神で左の像は口を開いた「阿形(あぎょう)」、右の像は口を閉じた「吽形(うんぎょう)」 とされます。

運慶・快慶をはじめ、20人ほどの仏師が、戦火で焼かれた奈良の町を元気付けるために作ったとされますが、その力強さや素晴らしい設計図には驚かされます。約800片の木の部品で出来ており、今でもその輝きは失われていません。正に日本を代表する芸術品の一つと言えるでしょう。