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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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久しぶりの歯医者だった

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久しぶりの歯医者だった



 病院の暑気払いがあって、しばらくぶりで歯科の部長に会った。
以前、歯の治療でお世話になった部長だ。
十万円で入れてもらった白い歯が健在なのを見せると満足そうだった。
ところが、駅のホームで部長と別れて、まもなく歯が痛み出した。
偶然ではあろうが、恐ろしいこともある。
納涼会で歯の治療をしてもらったわけではないから、部長にはなにか不思議なパワーがあるのだろう。

 帰宅するとバファリンを飲んですぐに寝てしまった。
翌朝、お茶を飲むと、左上の奥歯にしみてジワーッときた。
お昼に職員食堂でタンメンを食べると、今度は、「グワーッ」ときた。
歯の付け根がえぐられるようだった。
300円払ったタンメンだったが、このまま食べ続けると意識を失うかもしれない。悔しかったが半分残して食堂を出た。