昔はテレビが面白かったような気がする
今はテレビが当たり前になったが、私の小さいころは、テレビがなかった。
そのせいか、いまだにテレビはちょっと不思議なものだ。
遠くにいるはずの人間がどうして、目の前で喋っているのだろう?
説明しろといわれても、すぐにはできない。
それと、テレビでいつも見ていると、一度も会ったことがないのに、知り合いのような気持になる。
この前、田原聡一郎さんを街で見かけてあいさつしたが、向こうは気がつかないようだった。
このごろは、テレビは大画面が普通になった。
女優さんの顔は毛穴まではっきり見えるようになったし、ナイター見物の人が食べている弁当の中身までわかる。
これほど画像が鮮明になると、素顔でテレビに出られる人はなくなるだろうし、安い弁当を買う人も減るだろう。
作品名:昔はテレビが面白かったような気がする 作家名:ヤブ田玄白