一度、姓名判断してもらいたい
お昼ごはんをすませて、午後の担当があるため、診察室へ向かった。
〈今日はいよいよ、紙カルテに戻れるぞ!
紙の伝票で検査を依頼して、薬も、紙の処方箋で出すのだ。
これを機会に、紙カルテに戻ればいいナア〉
と期待して診察室に入った。
ところが、私が到着した瞬間、不運にも電子カルテが復旧した。
〈アア、私はついてない。今日こそ、患者さんとじっくり向かい合って、心の通った診療をしようと思ったのにーーー〉
私は、しぶしぶコンピューターに向かった。
作品名:一度、姓名判断してもらいたい 作家名:ヤブ田玄白