一度、姓名判断してもらいたい
挨拶した人は皆、立ち見の人の迷惑など気にせず、用意した祝辞を時間一杯やった。
もう夜の7時半だ。朝5時起きの私は眠くなった。
危うく立ったまま眠りそうになったその時、司会者が気を利かせたのだろう。
ようやく最高齢者の乾杯の音頭に移って、私は目が覚めた。
こうなったら、料理をたくさん食べて、酒をガブガブ飲んでモトをとるしかない。
さすが一流ホテルのビュッフェは違う。
寿司も、回転ずしよりおいしいし、ステーキもチェーン店とは違う。
最後にТ君がお礼のあいさつをした。
Т君のあいさつはほとんど頭に入らなかったが、隣でかしこまって、ほほ笑んでいる「黒木瞳妹」が、とても可憐で好ましく見えた。
私は今日、たくさん食べ、たくさん飲んで、ある程度満足した。
作品名:一度、姓名判断してもらいたい 作家名:ヤブ田玄白