小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

一度、姓名判断してもらいたい

INDEX|71ページ/99ページ|

次のページ前のページ
 

 「検食」が終わると、主な業務は終了したような気持になるが、まだまだ仕事は残っている。
8時ごろからゆっくり時間をかけて、全病棟の巡視をする。
今日の当直師長は、前に一度、一緒に当直した事のある人だ。
ゆったりした物腰で、品のいい人だ。
私より先を歩かない奥ゆかしい人だ。こういうタイプの人は最近極めて珍しい。
若い看護師に対する態度も穏やかである。

 ゆっくりゆっくりまわったので、今日はさぞ時間がかかったろうと思ったが、意外なことに、45分ですんだ。
いつもより15分も早い。「急がばまわれ」なのだ。
何事もセカセカしないほうが能率は上がる。
今日の看護師長が、ほとんど余計なことを言わなかったせいだろう。私も彼女を見習って、余計な事も必要なことも喋らなかった。