一度、姓名判断してもらいたい
結婚式に招ばれた
うららかに晴れた日曜日だった。
病院の若い看護師さんの結婚式に招待されて出かけた。
私も一回だけだが、結婚式を挙げたことがある。
あの日のことは忘れられない。
祝辞を述べた全員が、私の能力や人間性について、十分褒め讃えてくれた。
誰一人、私の悪口を言う人はなかった。
私は大変満足したが、その後はあまり誉められたことはない。
たぶん、あの日の祝辞で、私に対する誉め言葉の一生分は使い果たされたのだろう。
作品名:一度、姓名判断してもらいたい 作家名:ヤブ田玄白