小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

『ディア・ドクター』をみた-2

INDEX|2ページ/90ページ|

次のページ前のページ
 

医者という職業


 病院にくるのは、病院の職員以外には、身体や頭の調子が悪くなった人だ。元気な人はあまり来ない。
ゴルフの調子の悪い人はゴルフの練習場へ行くし、車の調子が悪い人はガソリンスタンドへ行く。病院へは来ない。
私は職員として病院に来ているが、膝や歯の調子が悪いため、患者としても病院にかかっている。
医者の仕事に全力投球できないもどかしさを感じながら、膝と歯の治療に全力投球している。

 医者の仕事がほかと違うのは、相手が弱い立場にあることだ。
患者さんの中には私より強い人は多いが、気が強いとか根性が悪いという意味で、身体はどこか弱いところがある。
相手が弱みを持っているのは、医者以外に、警察官や検事、お寺の坊さんや教会の神父さん、税務署の職員などである。
相手を見下ろしているのだ。
自分は偉いのではないかという錯覚に陥りやすい職業だ。
そのことを医者はよく心に留めておかなければならない。

医者や警察官、坊さんなどの、もう一つの共通点は、団体旅行に行くと酒癖が悪いことだ。
日頃は、世間の眼が厳しいためだろう、プライベートになるとハメを外す人が多い。
もちろん、ほかの商売でも酒癖の悪い人はいる。
この場合は、社会的規制は無関係だから、生まれつき酒癖が悪いのだろう。