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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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T君の教授昇進パーティに招かれた

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 最近、同僚の猫好きの男(S)に話した。
「うちの猫さ、○○チャンていうんだけどネ。毎朝、オレの顔、一〇回ぐらい舐めてくれるんだ。」
「ヘエ、なにそれ。お前の顔、何かいいにおいでもするんじゃないの?」
「そうかもしれないけど。オレの顔舐めてくれるのは、この世で○○チャンだけだからな。」
「そんなに舐めてほしいのか。」
「そうでもないけど。うれしいもんだよ。」
などと六十過ぎた男の会話とは思えない。

 私と猫の間に身体的関係はないが、精神的な絆は強いものがある。
私は愛する猫を、ケータイの待ちうけ画面に入れていた。

 ある時、私の科のナースに見せた。
「うちの猫なんだけど。」
「ア、先生の可愛がってる猫ってこれですか?」
「そうだヨ。」
「エッ、でも。これって、フツーの猫じゃないですか。」

 私以外の人間に、○○チャンの可愛さを理解してもらうのは難しいと思った。
それ以来私は、ケータイの待ち受け画面に、猫の写真を使わないことにしている。