ほんのちょこっと街ある記 30/ 自分に対して感じること
年齢が65歳になってからの街歩きは、謂わば健康維持の一環で、最初の2〜3年は本にするなんてことは意識もしていませんでした。
しかしある日、同級生の女性から「せっかくなら本にして出さんね。」との進言?があり、文章を書くことが特に得手でもないのに、つい話に乗ってしまったのが、「ほんのちょこっと街ある記」を上梓する契機でした。
文章を書くことを意識して歩き始めた頃から、出掛ける時は次第に複数の街を訪れるようになりました。そして、政令指定都市から地方の街まで凡そ100の街々を、主にその街のサワリ部分を見ながら歩きました。
年齢的に「年寄りの冷水」といった無謀さがあったかも知れませんが、それは全く感じないので、これからもまだまだ継続したいものです。
ところで、私が街歩きをしている時間の95%は一人でひたすら歩く訳で、周囲の人との接触も、他人との会話もありません。駅でも案内表示を見て済ませます。
話すことがあるとすれば、ホテルのチェックイン時か飲食店で注文する時くらいで、知らない街であってもスマホ地図があるので道を尋ねることもないのです。
そんな無言のままでも一人で歩くのが幸せと感じるのは、「孤独でも満足感がある」…自分の時間に浸れるからです。単独の行動と言っても、出掛けるのはわずか数日間で、気持ちの中に家族がいる安心感があるのも大きいかも知れません。
さて、
10歳代・20歳代/青春時代
30歳代・40歳代/朱夏時代
50歳代・60歳代/白秋時代
70歳代・80歳代/玄冬時代 と言われることがあります。
世間的には私もついに玄冬時代に足を踏み入れた年齢です。
階段を上る時に1週間に数回ほどは多少なりとも膝に違和感がありますが、しかし歩くことには全く支障はありません。これからも5〜6年間くらいは「健康寿命」を楽しみたいと思います。
作品名:ほんのちょこっと街ある記 30/ 自分に対して感じること 作家名:上野忠司