心の居場所
当たり前だと思っていた日常が急に終わってしまった時
一生の後悔が生まれる
家族が帰ってきた時
「おかえり」という言葉が無くなった
家の空気は張りつめていて
その空気のままテーブルに集まって夜ご飯を食べていた
私が思っていたような
今日あった出来事とかを話して盛り上がるみたいな
理想とはかけ離れた日常が続いていた
毎日下を向きながら黙ってご飯を食べて
食べ終わったら逃げるように自分の部屋へ行った
家にいる時間を少なくするために
朝早く起きて六時半には学校に着いて
無音の教室の中で寝ていた
一人の時間はその一瞬だけ
下校時間の時も夜遅くまで残って
学校が閉まったら公園のベンチで
ただただ時間が過ぎるのを待った
自分はどうしたらいいのか
考えているようでいつも真っ白
毎日がその繰り返し
自分の心の居場所なんて見つからないと思っていた
=====心の居場所を見つけた日=====
心の居場所がなくて
毎日苦しかった私を救ってくれた場所
ちょっと危ないから誰も来れない
本当に一人になれる空感
だから私の秘密基地になった
ただずっと続くとも思っていなかった
いつも遠目で見ていた場所
初めて行ったときは
これまでにない解放感を感じて
生きててよかったって思えた
その日は雲一つない晴天で
水色の空を無心でずっと見てた
=====雨が降る心の居場所=====
その日の感情によって天気の好き嫌いが変わる
今までは暗い感情の時は雨が好きで
明るい感情の時は晴れが好きだった
秘密基地に行くにはちょっと急な坂みたいなのを
何回も上らなきゃ行けない
いつもみたいに行こうとしたら
予想以上に滑って
すべてが終わるところだった
この日から雨の日は秘密基地に行かなくなった
雨だといけないから暗い感情なのに晴れが好きだった
秘密基地に行けなかった時
学校の日は遅くまで残って
学校がない日はずっと部屋に閉じこもって
外を見てた
部屋にいても聞きたくない音が聞こえてきて
耐える以外なかった
=====失った心の居場所=====
この日から秘密基地に
二度といけなくなった
遠くのほうに
少しだけ花火が見えた
この日の月は
大きくて丸くて綺麗だった
私にとってこの事は
生きる理由を奪われたのと同じことだった
生きたいと思うことを
簡単に奪われて
時間が解決してくれるって言ってくる
周りの人の目が冷たくて
見放した目をしてた
周りの家から聞こえてくる家族の楽しそうな声を
羨ましそうに聞いてた
この日から幻覚幻聴が酷くなった
人の目が怖くて
どんどんおかしくなった
そして一緒に秘密基地に行っていた
あなたにも会えなくなった