「ちょこっと街ある記」29/交通系ICカード、編集を一旦終え
今回の旅程では、改めて「交通系ICカード」の利用可否について知りました。
普段は何気なく使っているICカードですが、日本各地の広い範囲でまだまだ導入されていない地域が多く、思わぬエリアで使用出来ないのは驚きでした。
私が訪れたエリアだけでも、東北地方の北半分、紀伊半島の南半分、四国の殆ど…など。
それはシステム構築に半端なく多大な費用がかかるので、費用対効果を考えてペイするかどうかが導入の基準になり、まさに乗客の数次第と言うことです。
中小の事業所にとってはハードルが高く、JRでさえ大都市中心の整備はともかく、地方では未整備の区間も多いようです。導入費用が利益をオーバーするようになったら本末転倒の事態ですので。
交通系ICカードが全国津々浦々に頒布する可能性はどうかと言えば、やはり費用と現状の運輸事情を鑑みれば甚だ疑問で、理屈では今後の進展は殆ど無いと言えます。
国交省が「ICカード全国共通使用可能システム」の構築に取り組んでいるようですが、あくまで既存のICカード相互利用であって、未整備地区の解消までには至らないでしょう。
新幹線や特急利用の場合は乗車券・特急券を一緒に購入するので、特にICカードは使わず、不便さを感じる前に交通系ICカードを使えないエリアのことを忘れてしまうのは盲点ですね。(最近は一部で使える区間があるようですが。)
◆「街歩き」の編集を一旦終えて…
この7年間、全国の都市を一通り歩きましたが、勿論満足ではありません。考えれば未達の「あの都市、あの街、あの地方…」、出掛けたい所はまだまだあります。
県庁所在地で唯一訪れていない那覇市、北海道の道東地方、訪問時の天候不順で未練が残った新潟市、等々…挙げればいくつも出て来ます。
これから人生終焉までのタイムリミットがいつ頃か、「街歩き」に対してそれこそ憑依的な気分で立ち向かいたい自分がいます。
勿論、時間ばかりでなく費用も発生するので、一から十まで上手く行くとは思いませんが、周りに迷惑をかけない方法を取りながら自分の最後のライフワーク集大成を楽しみたいものです。
五木寛之氏の近著に「元気に下山」があります。
変なタイトルですが、人生100年時代、前半の50年は一所懸命しっかり山に登り、後半の50年は自分の歩いて来た道をゆっくり見直しながら下山する。「人生の終盤こそが豊かな人間性を構築出来る…」そんな内容で、なるほど同意です。
まあ、各人の状況が違うので、自分に当てはめたら何歳くらいが妥当かを検討して、今後の指標にしたいと思います。
作品名:「ちょこっと街ある記」29/交通系ICカード、編集を一旦終え 作家名:上野忠司