声フェチなのだ(おしゃべりさんのひとり言 その90)
声フェチなのだ
“デリケートに好きして、デリケートに・・・♪”
いきなりほんわかフレーズで始まりますが、これ、ある歌の歌詞です。
僕が子供の頃、ガンダムに代表される、ロボットアニメブームが来たんですが、ご多聞にもれず僕も夢中になりました。
いろんなアニメを見てると、好きなキャラクターってのが出来るんですけど、可愛い女性キャラにやられちゃいましたね。
僕の周りにもアニメファンが多くて、当時の思春期の少年たちを虜にしたのが『うる星やつら』のラムちゃんだっちゃ。
でも僕が今回話題にしたいのは、『魔法の天使クリィミーマミ』だ。
これを知っているだけで、マジ恥ずかしいのだけど、そのキャラクターデザインが秀逸で、アニメ『うる星やつら』と同じ高田明美さんによるもの。
40年経った今でもその人気は根強く、毎年子供や女性ファンにTシャツ、靴下、ポーチやカップといった新作のキャラクターグッズが出ているようだ。おじさんが買ったらヤバいですよ。
ところが僕は5年くらい前にヤフオクで、あるクリスマスイベントのポスター用の原画が、額装した複製版画(ジークレー)で売られてるのを見付けて、それを衝動的に買ってしまったんです(汗)
それは高田明美さんが書下ろした水彩画で、タイトルは『クリィミー・クリスマス』(天使の姿をしたマミ)だったけど、出品者はアニメキャラだと気付かずに『可愛い天使の絵』として、開始価格がたった1万円でオークションにかけられていたんだ。
(あれぇ? こんなに安いはずがない)と気になって、出品者に問い合せたら、「亡くなった父が持っていた絵で詳細は分かりません」と言う回答が来た。
調べるとそれは数量限定販売されたプレミア品。そのヤフオクの出品は、直筆サイン入りでシリアル(通し番号)が一桁のレア物。発売当時の価格は78,000円だったけど、今は20万円以上の価値が付いてると思われた。
7万円を上限に入札しておいたらライバルが現れ、みるみる価格が引き上げれていく。でも最終的には、それを5万円程で落札出来たってわけ。
(その頃、松本零士先生サイン入りの『銀河鉄道999』のメーテルの絵が欲しかったんだけど、何十万もするから無理だったのだ。僕はトーマス・マックナイトやヒロヤマガタさんのポスター画が好きで、部屋に飾ったりしてるけど、アニメ素材の作品はさらに高値で取引されることが多い。たかががアニメの絵と侮るな、アート作品としての市場は世界規模なのだ)
そのマミちゃん。落札したものの、頃合いを見て転売しようと思ってたけど、愛着が湧いてまだ手元に残してしまってる。
その聖夜の雰囲気とアニメらしからぬ色調で描かれたイラストの完成度には・・・・・・いやいや冷静になれ!自分。
これは間違いなく、子供向けアニメだ。持っていても人に自慢できる絵じゃない。なのになんでこんなキャラクターの絵が気になってしまったのかって言うと、こんな理由があるからだ。↓
冒頭の歌、歌詞だけ見ると本当にむず痒いロリコンアニメソング。でもその歌声に惹かれた過去があったんだ。
アニメのストーリーは、小学生の女の子が、偶然目撃した妖精のような宇宙人に、1年間だけ魔法の力を授かるというお話。笑っちゃうくらい単純な設定で、その魔法を使うとティーンエイジャーに変身できるんだけど、その姿を芸能プロダクションの社長に見初められ、アイドルデビューを果たし、ドタバタエピソードが毎週展開される。
そして僕はそのアイドルの声に、完全に毒されてしまったと言うわけだ。
声優さんは当時マイナーアイドルの太田貴子さん。実物の声も特徴的なんだけど、マミを演じる彼女の声は普段と何ら違わないのに、キャラがしゃべるとなぜか激カワイイ。いや、アイドルとして作中での歌声が最高に良かったんだ。
アルバムも発売されて10数曲くらいあったけど、太田貴子さん本人じゃなく、アイドル・クリィミーマミとしてその歌を聞いてたのは中学の頃だった。
まあまあ恥ずかしいことなので、ここらで話題をチェンジさせてください。
事の発端は、声なのだ。
よくよく考えてみると、こんな感じで心に残る声ってのが、僕の人生ではよくあるような。
じゃ、魅力的な声ってどんなの?
女性の場合、性的にやらしい声ってことじゃなくって、普段の声で素敵な人ってこと。顔やスタイルじゃなくて、声だけでって意味です。
それには3パターンくらいあると思う。
①アニメ声みたいにかわいい声出す人。
これはマミちゃんが代表。他の声優さんには、まったく何の興味もないのに。
それと会社に一人、甘え声な女性がいる。アホっぽいけど僕を笑顔にする。
②落ち着いた艶のある話し方。
よく行くレストランのオーナーの奥様がその代表。彼女の声で料理やワインの説明を聞くと「じゃ、それお願いします」と。で、また行きたくなる。
ある航空会社のカードの専用デスク担当者には会ったことないけど、その丁寧なおしゃべりを聞きたくて、よくチケットの相談電話してしまう。
③歯に衣着せぬ話し方で力強い声にも惹かれる。
そんな部下がいた。こっちも遠慮なく話せるような雰囲気にしてくれる。
番外で、酒焼けしたホステスの声ってのも遠慮がなくって、時には魅力がある。
昔、僕が付き合ってた彼女が、デパートの電話オペレーターをしてたんだけど、その声がすごく綺麗だった。カラオケで歌ってもらうと、うっとりしちゃって、彼女と言うより、(この声を手に入れた)って思った。その子の名前も偶然マミちゃんだったな。
今はノルウェーのボーカリスト『Minniva』の歌をよく聞いてるんだけど、この声は(僕の感性に合わせて調音したのか?)って思うくらいにしっくりくる。ありとあらゆる曲調を、変幻自在の声質で歌いこなすのが、僕の思い描くイメージ通りなので、どの歌を聞いてもストレスを全く感じさせない。ぜひライブで聞きたい。
男性ではどうかって言うと、車のメンテナンスをお願いしている工場のオーナーさんが、ものすごくいい声してらっしゃるんです。車の状態を説明してくれる時に、聞き入ってしまう低音の魅力。深夜放送のラジオ番組にもってこいの感じ。
こんな声質に憧れてたけど、僕もこんな声が出せる時があった。風邪気味で喉をやられると、ガラガラ声になるけど、落ち着いてしゃべると、低い声になる。
「渋い声になってますね」とかって言われると、このままその声をキープしたいけど、すぐ元に戻っちゃう。
でも無理にいい声出しても、あまり魅力的じゃないでしょ。僕は普段の声そのものが、その人の魅力だと思うから。
周囲にこんな気になる声の人っていますか?
声に惚れる相手なんて、めったにいるもんじゃないと思いますけど、僕にとってはいつものことです。
探してるわけでもないんだけど、僕の場合、このアンテナが敏感なのかな?
こんな僕はやっぱり『声フェチ』なのだろうか?
つづく
作品名:声フェチなのだ(おしゃべりさんのひとり言 その90) 作家名:亨利(ヘンリー)