小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

Gってどうよ?(おしゃべりさんのひとり言 その89)

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 

Gってどうよ?



「好き嫌いありますか?」って聞かれると、「特にないです」と答えます。
食については、何でも食べられますし、人に対して得意・苦手はあっても、嫌いとは言いません。

藤原さくらさんの『ゆめのなか』って歌で、
「♪好きか嫌いかで言ったら、嫌い・・・嫌いなのかって聞かれたら、違うんだ」
って歌詞があって、僕も(そうそう)と思って共感しました。

嫌いになるほどにまで積み重なった経験って、あまりしたことないです。
でも、絶対に嫌いなものがあるんです。
それは『G』です。
Gって言うだけで何者かを想像してください。素早く動く汚らわしいやつです(泣)
こいつの名前を口にするのも嫌で、耳で聞くのも、文字で見るのも嫌なので、映像を見るなんて以ての外、実物登場は発狂もんです。

数々の病原菌を媒介し、劣悪な環境でも繁殖し、紙やゴムまで食べて生き残り、殺虫剤に抵抗力を付けて、放射能にも耐性がある、原始時代からの覇者?として君臨してる(のかどうかは知らんけど)、兎に角、気持ち悪い種類が、よりによってこの日本に存在してるじゃないですか。
世界中に様々な種類がいるのに(結局どれも気色悪いですけど)、飛んだりせず動きが緩慢な種類なら、まだ僕でも精神力で対処可能だろうけど、日本なら大体はどこの建物にも標準的に配属されてしまってる種類、神出鬼没でやたら高速走行、飛行能力まである高性能なGは、誰でも見たことがあるでしょう。

小さい頃僕は、家に出たGを、カブトムシだと勘違いしてました。(本当に小さい時ですけど、メスだと信じてた)それを忌避するようになったのは、やはり大人たちが、その対処に「キャーキャー」大騒ぎしていたからですよ。
洗面所の壁にいたやつが飛んで、僕の胸にくっ付いた時がファーストコンタクト。その感触を今でも覚えている気がするんです。
その家には幾度となく現れ、父さんがやっつけてもやっつけても、再登場します。
おもちゃ箱の中に卵の鞘を見付けて、小豆だと思ってたら「触ったらダメ!」そんなふうに怒られてから、怖くておもちゃを取り出せなくなりました。
小学校で栽培した瓢箪の中身をくり抜いて作った徳利を、教室でしばらく乾燥させておいたやつに、水を入れて飲んだ生徒が「Gの破片が出て来た」と言って大騒ぎに。
大学の廊下にその死骸が落ちていて、誰かが蹴り飛ばしたら、こっちの方に床を滑って来たので、僕は咄嗟に吸い殻入れの上に飛び乗って、壊してしまったことがあります。
銀行員時代には、休憩室の流し台に、よくやつが現れました。そんな時、新人だった僕は女子行員から抹殺を命じられます。それはもう『カイジ』か『イカゲーム』の参加者のような気分です。(ざわざわざわざわ・・・)
でもその時、有効な退治方法を知りました。Gは洗剤に弱いのです。そこに常備されていたチャーミーグリーン(お客様への粗品として大量にあった洗剤)を、Gの周りにぐるりと噴射すると、やつはもう動けなくなるのです。そうやって動きを封じ込めておいて、飛び立つ前に直接噴射すると、一瞬苦しみながら完全に息絶えます。周囲にまき散らした洗剤で洗い流せば、掃除も出来ます。(やりたくないですけど、特に死骸の後片付けは)それを流し台の三角コーナーに放置しておくと、時々、仕事中にも「キャー! 木田ー!」って叫び声が聞こえていました。