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ルーインド東京 後編

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第七章「大混乱」

ある日の事、
山梨と静岡などの東海地方で最大震度7の直下型地震の誘発により
富士山が爆発的に大噴火した。

ドッカーーーーーーーン‼

その火山灰は首都圏に広がり、東京都内にまで広がり、
浅草の雷門や東京ドーム、被災された都心の高層ビル、住宅街、
東京駅、羽田空港までにも火山灰が首都圏中に蔓延んだ。

パラパラパラパラパラパラパラパラパラ

ポイント⑩ 巨大地震が発生すると津波だけじゃなく、
      活火山にダメージを受け、
      その地震の誘発によって火山が噴火する恐れがある。
      現在の活火山の中には富士山も含まれているため
      特に、南海トラフ巨大地震が発生すると
      富士山が噴火しやすい。
      富士山は300年以上もマグマを溜めて続けているので、
      いつ噴火してもおかしくない。

東京都内に火山灰が降灰し、
富士山の大規模噴火で都内の人が大混乱に陥っている。

男性「早くバスに乗り込め!火山灰は人的被害をもたらすぞ!」
女性「早くバスに乗って!駅の入り口はダメ!」

避難民は数台のバスに乗り込んで、ある所へ分散避難した。

皇居前広場にも数台のバスが停車しており
観光バスに大勢の避難者が乗り込んだ。

避難係「早くバスに乗車してください‼人的被害をもたらしますよ‼」

観光バスの中には避難民が大勢おり、その中には遥達も乗車していた。
遥は富士山が噴火した事で物凄く怯えており、
弟の遼真が落ち着かせようとしている。

遥「いやああああああああ‼もう嫌だあああああああああああ‼」
遼真「お姉ちゃん!大丈夫だよ‼」

そして、乗車してる他の避難民も

子供「うわぁ~ん!怖いよ~‼」
子供の母「大丈夫よ!」
男子高校生①「ウソだろ・・・」
男子高校生②「富士山噴火ってやべぇじゃん!」
運転士「心配ありません!とにかく安全な建物に皆さんを避難させます!」

そして、観光バスは急発進し、猛スピードで行き着くところまで向かった。

ブーーーーーーーーーーーーーーーン

両国国技館

電気が止まっている国技館内部。
座り込んでる木村が目を開け、真っ暗な国技館内部を周辺を見回し、
その場で立ち上がり、皆がいるかを呼び掛けた。

木村「おーい‼皆いるかー‼」

そして、遥、遼真、掛が懐中電灯を木村の方に照らした。
遥達はこの内部に避難が確認されたが、未夢の姿だけは。

木村「君達、無事だったな。ところで、未夢は?」
遼真「どこかにいるかもしれないよ‼」
掛「とにかく、手分けして探そう!」

未夢が内部のどこかにいるかもしれないと聞き入れ、
未夢の安否を確認するために懐中電灯で周囲を見回し、
遥達は国技館内部で、未夢を呼び掛けた。

木村「おーい未夢ー‼」
掛「未夢‼いるかー‼いるなら返事しろ‼」
遥「未夢さーん‼」
遼真「未夢姉ちゃーん‼」

結局、周囲に呼び掛けても未夢の姿はどこにもなかった。

木村「ここにはいないみたいだ。」

掛「逃げ遅れたかもしれないな・・・。」
遼真「大丈夫だよ‼とりあえず入口まで行って、
   未夢姉ちゃんを出迎えよう!
   そしたら未夢姉ちゃんに会えるかもしれないよ!」

エントランスホールに向かった遥達は
出口の方に懐中電灯を照らしていると、
そこにはふらついている未夢を発見した。
そう、未夢は逃げ遅れて、遥達の後を追って
国技館に避難して来たのだった。
しかも、高熱が出て汗がたくさん出るほど苦しんでいた。

未夢「みん・・・な・・・」

遥「あっ、未夢さん!」

未夢「ここに・・・い・・・たんだ・・・なぁ・・・」

すると未夢が富士山の噴火の火山灰による硫化水素中毒で
その場で倒れてしまった。

ドサッ!

すると未夢の方に遥達が集まって・・・

遥「未夢さん‼」
遼真「未夢姉ちゃん‼」
木村「未夢‼大丈夫か⁉しっかりしろ‼」

するとそこへ、巡回中の自衛隊員が現れた。

自衛隊員「待て!そいつに近づくな‼」
遥「えっ、なんで?」
自衛隊員「そいつは富士山の噴火で硫化水素のガスが混ざった
     火山灰に巻き込まれたらしい。」
遼真「硫化水素?」
自衛隊員「とにかく災害に強い総合病院にそいつを運んで行くんだ!
     そこの病院なら、消防隊員もいるし、
     発電もしていて大丈夫そうだ。」

遥達は硫化水素中毒で倒れた未夢を、災害に強い総合病院まで搬送した。

ポイント⑪ 富士山の噴火によって火山灰や硫化水素中毒による
      人的被害をもたらす恐れがある。

都内の某総合病院

集中治療室に隔離されて治療を受ける未夢。

ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・

その待合室のベンチには、遥と遼真と掛と木村が座っていた。
その中で、遥は涙をこぼしてすすり泣きながら呟いた。

遥「未夢さんがはぐれなかったら・・・ぐすっ
  こんな事には・・・ならなかったのに・・・ぐすっ‼」

すると看護婦が遥達の所へ来てこう伝えた。

看護婦「皆さん、大丈夫です!
    未夢さんの治療を必ず成功させてみせますから‼」

遼真は強気にこう告げた。

遼真「分かってるよ。未夢姉ちゃんは死なないよ!
   パパやママがいなくたって、
   僕にはお姉ちゃんと木村先生と掛兄ちゃんがいるんだから!
   大丈夫だ、絶対大丈夫‼」
掛「ここで待ってても仕方ない!とりあえずロビーに行こう!」
木村「ああ、そうだな。」

そして、遥達が病院のロビーに行ってみると

遥「あっ・・・こ、これは⁉」

そこには消防隊員や医師、ケガ人や病人、避難民が大勢いた。 

掛「この病院には患者が溢れかえっているんだ!
  つまり、ちょっと前までのコロナ禍と同じ状況さ。
  その中には未夢と同じように
  富士山の噴火による健康被害を受けてる人も
  たくさんいるんだ!」
遼真「未夢姉ちゃんだけじゃなかったんだ‼」
遥「まさか、あんなことになるなんて・・・」

ポイント⑫ この様な震災が発生すると、患者が大幅に増加し
      伝染病や疫病の流行と同じように医療が崩壊しかねなくなる。

そこへ、遥が通う巣鴨中学校の教師の堀田文子先生がやってきた。

堀田「あなたは2年1組の平井 遥さんですよね。」
遥「あっ!堀田先生!」
堀田「手芸部の顧問の先生なんですか
   ちょっとこちらに来てもらえませんか?」
遥「顧問ですか?」

そして、遥は堀田先生の言う通り、とある場所に案内された。

遼真「こ、ここって?」
掛「遺体安置所じゃないか!」

遥達が案内されたのは、病院内の特設された遺体安置所だった。

木村「気味が悪りぃな。震災による犠牲者がここで眠ってるとはな・・・。」

すると、堀田先生が遥達にある遺体を紹介した。

堀田「こちらです。手芸部の顧問の細川奏子先生です。
   今回の巨大地震で犠牲になられたらしいです。」

そして遥は・・・

遥「あ・・・あぁ・・・」

泣きながら絶望してしまった。

遥「細川先生‼どうして死んじゃったの⁉
  ぐすっ・・・何でぇ・・・、何で死んじゃったの⁉
  ねぇ、細川先生‼」
作品名:ルーインド東京 後編 作家名:SHUNJU