キス・キス・キス
そよ風のようにそっと侵入してくる柔らかい舌
一番深いところまでゆっくり進む
控えめだった舌はふいに意思を持ち
躍動感あふれる生命体になる
さなぎを脱ぎ捨て羽を手に入れた蝶のよう
滑らかに絡み付いたり回転したり・・・
ふいに舌の動きが止まり何かを探り当てた
(あはっ、見つかっちゃった)
舌は丸いキャンディを絡め取る
君の口の中に持ち去られたキャンディを僕の舌が追う
口の中を舌が這い回り
甘い味のする粘膜を味わいつつ
奪い合いは果てしなく続く・・・
キャンディは少しずつ小さくなるけれど
君の鼓動はしだいに強く・・・
夜は長い
ゆっくり分け合おう?
作品名:キス・キス・キス 作家名:月音 光(つきねあきら)