小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ドクター・ヤブ田の、夢よもう一度

INDEX|57ページ/78ページ|

次のページ前のページ
 

 母は呆れて、「お世話になりましたね」と言って、エプロンをはずして、マンションを後にする。
母が去った後、信介は難しい顔で、煮つけに箸をつける。
珍しく重苦しい沈黙の場面だった。

 ハッと気づいたのか、慌てた信介は母の後を追う。
この辺はシリアスドラマ風だ。(尾崎将也さんの脚本の奥深さを感じる)

 しかし、女性(母)は切り替えが早い。
偶然出会った、信介の隣室に住む女優の卵と、女弁護士のまどか、(吉田羊)、喫茶店の稲森いずみ、妹の娘の由美の5人で、さっそく自分の誕生日パーティを開いて楽しむのだった。

 パーティが終わり、母と由美はタクシーで妹夫婦の家へと向かう。

 信介はタクシーを追いかけて、やっと誕生日プレゼント、ルシャノワールの香水(まどかの入れ知恵で購入)を母に渡した。

 信介はテレながら、「どうせ、匂いなんか興味ないだろう」と言ったが、
母は、「うれしいわ、女は幾つになってもこういうのが嬉しいものなのよ。意外とやるじゃないの!」と信介の胸をトンとついた。

 そして、付け加えた。
「こんなふうにお誕生日に物がもらえることって、あと何回あるかしらね。・・・・。いつまでもあんたの傍にいられるわけじゃないのよ」(このセリフでしんみりさせるが・・・)