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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ドクター・ヤブ田の、夢よもう一度

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相続は難しい

 


 月曜日は家で仕事をする日だ。
仕事と言っても大した事はしない。
手紙を書いたり、猫のエサの買い出し程度だ。

 朝食の後、シックスパッド(Sixpad)に両足を乗せていると、約束の10時過ぎに、玄関のピンポーンが鳴った。
(注:シックスパッドとは、高齢でエベレスト登頂に成功した、三浦雄一郎氏が広告塔の健康器具。電気刺激で足裏、脹脛の筋肉を鍛える。ヤブ田も105歳を越えて、エスカレーターに乗れたら、広告塔になれるかもしれない)

 近隣の銀行から、渉外課の若い女性が来てくれた。
彼女は若手だが有望な人材で、相続についても知識があるらしい

 母もいつの間にか103歳になった。もう準備しなければならない。
遺産相続の事前相談である。

 預金、不動産、株式などおおよそのことを伝えて、相続財産がどのぐらいか相続税がどのぐらいか、教えてもらうのだ。

 彼女は眼鏡をかけ、メモを取り、首をひねり、時々ため息をついていたが、ようやく口を開いた。